探偵が行う浮気調査は、法的な証拠を収集し、依頼者の利益を守るための重要なプロセスです。しかし、探偵業法やその他の法律によって、その活動には明確な制限があります。
1. 探偵ができること(適法な調査活動)
探偵の主な役割は、尾行、張り込み、聞き込みといった合法的な手段を用いて、不貞行為の有無や事実を客観的に証明する証拠を収集することです。
法的に有効な証拠の収集
探偵が最も重視するのは、離婚調停や裁判で慰謝料請求の根拠となる法的に有効な証拠を押さえることです。
不貞行為の証明: パートナーと浮気相手がラブホテルや相手の自宅などに出入りする瞬間や、特定の場所で長時間過ごす様子を写真や動画で記録します。証拠能力を確保するため、日付、時間、場所、人物が明確に特定できるように記録されます。
行動の特定と報告: 調査対象者の行動パターン、浮気相手の身元(氏名、住所、勤務先など)、密会の頻度や場所などを特定し、詳細な報告書にまとめます。この報告書は、裁判資料として提出できるように作成されます。
専門知識と機材の活用
高度な尾行・張り込み技術: 対象者に気づかれず、かつ確実な証拠を押さえるための訓練された技術とノウハウを活用します。
高性能な機材: 暗視カメラや高性能望遠レンズなど、素人では用意できないプロ仕様の調査機材を使用し、決定的な瞬間を逃しません。
法律の遵守: 探偵業法に基づき、適法な範囲内で調査を行います。
2. 探偵ができないこと(違法となる行為)>
探偵は、法律によって個人の権利を侵害するような手段を厳しく禁じられています。これらの行為は、探偵業法のほか、刑法や民法上の不法行為に該当する可能性があります。
違法・不当な手段
盗聴・盗撮: 探偵業の範囲外であり、通信の秘密やプライバシーの侵害にあたります。具体的には、対象者の自宅や車両内、電話、メール内容を無断で盗聴・盗撮することは禁止されています。
GPSの無断設置: 裁判所の許可なく、対象者の車両や持ち物にGPS発信機を無断で設置し、位置情報を継続的に取得する行為は、プライバシー権の侵害として違法と判断される可能性が高いです。
なりすまし・潜入: 調査対象者や浮気相手の職場や住居に侵入したり、家族や友人を装って情報を聞き出したりする行為は、住居侵入罪や不正アクセス禁止法などに触れる可能性があります。
暴力的な行為
違法な接触: 調査対象者や浮気相手に対して、強要、暴力、脅迫などの違法な手段を用いることは一切できません。
別れさせ工作: 探偵の役割は事実の究明であり、依頼者の意向に基づいて特定の人物と別れさせるような工作行為は、トラブルの原因となるため、多くの探偵社では行いません。
<まとめ>
探偵は、法律を守り、プロの技術と機材を駆使して、法廷で通用する質の高い証拠を収集することができます。一方で、いかなる理由があっても、個人の権利を侵害するような違法な調査手段を用いることはできません。探偵に依頼する際は、違法行為を行わない、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

